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ECの次の主戦場、「AIショッピング」の取り合いが始まる

「検索して買う」から「AIに頼んで買う」へ

ECの買い物体験が、大きく変わり始めています。これまでは「Googleで検索する→ECサイトを見る→複数の商品を比較する→購入する」という流れが一般的でした。しかし今後は、「この条件に合う商品を探して」「予算3万円以内で一番おすすめを選んで」とAIに伝え、検索・比較から購入までをAIに任せるケースが増えていきそうです。

この流れは「Agentic Commerce(エージェンティック・コマース)」と呼ばれています。現在は、外部のAIが複数のショップから商品を探すモデルと、ECサイト自身がAIエージェントを持ち、接客から購入までを支援するモデルの2方向で基盤整備が進んでいます。

AIに「選ばれる」ための商品情報が重要になる

ここで重要になるのが、AIが商品の内容を正しく理解できるかどうかです。人間であればページのデザインや写真を見ながら商品の特徴を判断できますが、AIは商品名、説明、カテゴリー、価格、在庫、画像、配送条件などのデータを読み取り、「このユーザーに合う商品か」を判断します。

つまり今後のECでは、SEOだけでなく「AIが理解しやすい商品データ設計」が重要になります。商品ページを作るだけではなく、構造化データ、商品属性、FAQ、レビュー、価格や在庫情報などを整理し、Webサイトの情報そのものを機械が理解しやすい状態にしておく。このあたりは、これからのWeb制作において重要な設計項目になりそうです。

SEOがなくなるのではなく、役割が広がる

AIショッピングが普及すると「SEOは必要なくなるのでは?」と思うかもしれません。しかし個人的には、むしろSEOで培ってきた考え方が広がっていくと考えています。検索エンジンに正しく情報を伝えることと、AIに正しく商品やサービスの情報を伝えることには共通点が多いからです。

これまでの「検索順位を上げるためのSEO」から、「GoogleやAIを含むさまざまな場所で、自社の商品を正しく発見・理解・推薦してもらうための情報設計」へ。Webマーケティングの対象が、検索エンジンだけでなくAIエージェントまで広がっていくイメージです。

最後に強くなるのは「直接つながっている企業」

もう一つ重要なのが、ファーストパーティの顧客接点です。AIプラットフォーム経由の購入が増えるほど、「どのAIからお客さんが来るか」は企業側ではコントロールしにくくなります。だからこそ、自社サイト、メール、LINE、会員、ロイヤルティプログラムなど、一度接点を持った顧客と直接つながれる仕組みの価値が高まります。

AI時代だからWebサイトが不要になるのではなく、むしろ逆です。AIから発見されやすい情報基盤を整えながら、自社サイトを中心に顧客との直接接点を蓄積していく。これからのWeb制作は「見た目のサイトを作る」だけではなく、SEO、AIへの情報提供、顧客データ、LINEやメールまで含めた仕組みづくりが、より重要になっていくと思います。