Google検索キーワードの需要に変化。「単語(キーワード)」から「文章(相談)」へ
Google検索の使われ方が、少しずつ変わってきています。これまで検索といえば、「税理士 東京」「英会話 横浜」「オフィス清掃 神奈川」のように、1〜3語程度の短いキーワードを入力するのが一般的でした。
ところが最近は、「東京でスタートアップに強い税理士を探したい」「横浜で仕事帰りに通える英会話スクールを探したい」「神奈川で土日も対応してくれるオフィス清掃会社を探したい」といった、文章に近い検索が増えてきています。つまり検索が、単なる「キーワード入力」から「相談」に近づいてきています。

短い検索キーワードが減り、具体的な検索が増えている
Search Engine LandがGoogle Adsの検索語句データを分析したところ、1〜2語の短い検索の割合は、2025年1月の42%から2026年8月には24%まで低下したとされています。一方で、3〜4語の検索は33%から48%まで増加。さらに興味深いのは、3〜4語検索から発生したコンバージョンの構成比も、20%から46%へ大きく伸びている点です。
もちろん、これはGoogle検索全体の公式統計ではなく、広告データをもとにした分析です。ただしGoogle自身も、AI Modeで行われる検索は従来のGoogle検索と比較して、平均で約3倍長いと発表しています。数字の取り方に違いはありますが、「検索文が長く、具体的になっている」という方向性はかなり見えてきています。
なぜ検索方法が変わってきたのか
背景の一つには、ChatGPTやGeminiなど生成AIの普及があると思います。ChatGPTを使うとき、「税理士 東京」とはあまり入力せず、「東京で会社を設立したばかりなのですが、スタートアップの資金調達や税務に詳しい税理士を探しています」のように、自分の状況をそのまま入力する人が増えています。
こうした検索方法に慣れてくると、Googleでも同じように自然な文章で検索するようになります。これまでは人間が検索エンジンに合わせて「余計な言葉を削って検索しよう」と考えていましたが、これからは逆に、検索エンジン側が人間の質問や悩みを理解する方向に進んでいます。

SEOも「キーワードを入れる」だけでは足りなくなる
これまでのSEOでは、「税理士 東京」という検索キーワードを狙うなら、ページタイトルや見出し、本文の中に「税理士」「東京」という言葉を適切に配置する、という考え方が基本でした。もちろん現在でもキーワードは重要ですが、これからはそれだけでは不十分になっていく可能性があります。
例えば「税理士 東京」を検索する人でも、実際には「会社設立直後なので相談したい」「資金調達について相談したい」「IT企業に詳しい人がいい」「月額費用を比較したい」「オンラインで打ち合わせできるところを探したい」など、さまざまな悩みを持っています。同じ検索キーワードでも、その背景にある目的はそれぞれ違います。
これからのサイトでは、この「検索キーワードの裏側にある悩み」まで考えてページを作ることが重要になってきます。
Webサイトも「サービス説明」から「相談に答える構成」へ
例えば英会話スクールのサイトなら、「初心者向けの英会話レッスンを提供しています」というサービス説明だけではなく、「仕事帰りでも通えるのか」「初心者でも大丈夫なのか」「マンツーマンとグループレッスンはどちらが向いているのか」「どのくらいで日常会話ができるようになるのか」「オンラインと教室の両方を利用できるのか」といった疑問までページ内で答えていくことが重要です。
すると検索エンジンから見ても、「英会話 横浜」だけでなく、「横浜 仕事帰り 英会話」「初心者 マンツーマン 英会話」「平日夜 英会話スクール」といった、より具体的な検索との接点が生まれてきます。ユーザーにとっても、サービス内容を並べられるだけより、自分の状況に置き換えて検討しやすくなります。

Google広告も同じ考え方になる
この変化はSEOだけではありません。Google広告でも、具体的な検索ほどユーザーの目的が明確になります。例えば「オフィス清掃」だけでは、料金を調べたいのか、業者を探しているのか、自分で清掃する方法を知りたいのか分かりませんが、「東京 オフィス清掃 土日対応」とまで具体的になれば、かなりニーズが見えてきます。
だから広告も、「オフィス清掃なら○○」という広い訴求ではなく、「土日対応・営業時間外のオフィス清掃にも対応」のように、検索した人の状況に合わせたメッセージの方が響きやすくなります。さらにリンク先のWebサイトでも、その悩みにそのまま答える。検索文、広告文、Webサイトの内容、この3つをできるだけ一直線につなげることが重要になります。
これからは「キーワードSEO」から「ニーズSEO」へ
今後Webサイトを改善するときは、「どのキーワードで上位表示するか?」だけでなく、「お客さんはGoogleやAIに何と相談するだろう?」という視点を加えてみるといいと思います。例えば、自社のお客さんが検索しそうな質問を50個、100個と書き出し、そこから「よくある質問」「サービスページ」「比較コンテンツ」「事例紹介」「コラム」へ展開していく方法です。
こうした作り方をすると、SEOだけでなく、Google広告やAI検索、ChatGPTなどから情報を探すユーザーにも対応しやすいサイトになります。これからのWebサイトに必要なのは、検索キーワードをたくさん詰め込むことではありません。ユーザーが抱えている状況や悩みを理解し、それにきちんと答えることです。
検索が「単語」から「相談」に変わってきている今、Webサイト側も「説明するサイト」から「相談に答えるサイト」へ変えていく必要がありそうです。